連載小説 神霊術少女チェルニ〈連載版〉 2-9
フェルトさんが、クローゼ子爵家のいいなりにならなかったら、アリアナお姉ちゃんたちを誘拐して脅迫するか、フェルトさんやわたしたちを殺そうとするかもしれない……。
ヴェル様の話が怖すぎて、思わず硬直していると、腕の中のスイシャク様と、肩にとまったままのアマツ様が、白と紅の光で、わたしの身体をぐるぐる巻きにしてくれた。
何も心配することはない、ちゃんと守ってあげるから、自分にできることで立ち向かいなさいって。そのメッセージが本当に優しくて、心の底からありがたくって、わたし