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フェオファーン聖譚曲op.Ⅰ 黄金国の黄昏

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2022年1月の記事一覧

フェオファーン聖譚曲op.Ⅰ 5-11

 朗らかな表情のアントーシャに、最初に言葉を掛けたのはルーガだった。滅多に遠慮というものをしないルーガは、がりがりと頭を掻き毟りながら、呆れたように言った。 「アントーシャ様の仰ることの意味が、おれには全く分かりませんよ。おれの頭が悪いからなのか、アントーシャ様が途轍もない方だからなのか。多分、両方なのでしょうな」  大きな溜息を吐くルーガの様子に、アントーシャは更に微笑んだ。ルーガの周りでは、オローネツ辺境伯もイヴァーノも、何とも微妙な表情でアントーシャを見詰めている。