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連載小説 神霊術少女チェルニ〈連載版〉 3-28

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 王都への濃密すぎる旅を終えて、わたしの日常が戻ってきた。といっても、十日もしないうちに王立学院の入試があるから、のんびりしている暇はないんだけどね。
 
 一日空けて、午後から町立学校に登校する。卒業学年のわたしたちは、授業はとっくに終了していて、今は卒業までの予備期間になる。高等学校を受験する人や、卒業試験で赤点を取っちゃった人は、毎日のように用意されている補習授業を受けているし、自宅で勉強したい人は、そうしても良いんだ。
 わたしは、補修を受ける予定はないから、町立学校に行くのは、校長先生への報告がほとんどになる。義務っていうわけじゃないけど、わたしは、おじいちゃんの校長先生が大好きで、話をしているだけで勉強になるから、顔を見に行くんだ。
 
 校長室に着いたのは、ちょうど早めのおやつくらいの時間だった。いつもは、うちのお父さんが作ってくれたおやつを持っていって、校長先生と一緒に食べる。校長先生が、おいしいお茶を淹れてくれて、わたしが、おやつを半分こにして分けてあげるのが、何年も前からの習慣だった。
 校長室の扉を叩くと、真っ白なひげを伸ばした校長先生が、優しい笑顔で迎えてくれた。いつもながら、神霊庁の神職さんみたいな雰囲気だよ、校長先生。
 
「おお。よく来たの、サクラっ娘。待っておったよ。王都見物はどうじゃった? 王立学院には行ってきたのかね?」
「見物に行ったんじゃなくて、用事があったんですよ、先生。お父さんとお母さんが、〈野ばら亭〉の支店を出すから、わたしも、いろいろと見てきました。王立学院にも行く予定だったんですけど、時間がなくて諦めました。もう、ぶっつけ本番でいきますよ」
「そうか、そうか。ともかく、おすわり。とっておきの紅茶をれるつもりなんじゃが、持ってきてくれたお菓子によっては、別のお茶の方が合うかもしれんな。今日のおやつは何かね?」
「栗の渋皮煮しぶかわにが、ごろごろ入ったパウンドケーキです。お酒の香りのする栗がしっとりしていて、甘さが控えめで、すっごくおいしいんです」
「おお、おお。楽しみじゃな。サクラっ娘の父上は、料理も絶品なら、菓子も飛び切りじゃものな。いただくたびに、寿命が延びそうじゃよ」
「お父さんのお菓子は、確かにものすごくおいしいですもんね。でも、今日は、校長先生の分はありません」
「ん? 数が足りんかったのかね?」
「お父さんは、ちゃんと二切れ用意してくれました。一切れが五センチくらいあって、すごく分厚いんです。でも、今日は、怒っているので、一人で食べちゃいます、わたし」
「怒っている……。何かあったのか、サクラっ娘? 良かったら、わしに話してごらん。何か役に立てるかもしれんでな」
「怒っているのは、校長先生に対してです。ずっと、おじいちゃんの校長先生だと思っていて、寿命の心配とかして泣きそうになっていたのに、わりと若いんですよね? まだ六十代になったばっかりだから、寿命なんてまだまだだって、教えてもらいました。心配してたのに、わたし」
「こりゃまた! 何ということじゃ。可愛いサクラっ娘に、誰が余計なことを教えたんじゃ? わしの楽しみが減るではないか。しかし、心配をかけていたとは、すまんかったの。どうか許しておくれ。じじい振りたい年頃なんじゃよ、わしも」
 
 校長先生ってば、相変わらず語彙ごいがおじいちゃんぽいよね。〈こりゃまた!〉とか本当にいう人って、初めて会ったよ、わたし。それに、〈じじい振りたい年頃〉って、何それ?
 あんまり変で、面白くって、思わず笑っちゃったら、もうだめだった。もともと本気で怒っていたわけじゃないから、すぐに仲直りしちゃったんだ。校長先生のことを教えてくれた、ネッ、ネイラ様の情報の通り、〈学会の異端児、ユーゼフ・バラン先生〉って呼んでみたら、苦瓜にがうりを生でかじったみたいな顔になっちゃったから、お相子あいこっていうことにしておこう。
 
 無事に仲直りして、淹れてもらった熱い紅茶を飲んで、一緒においしい栗のパウンドケーキを食べて、にこにこと笑い合って、王都のお土産話をして……。わたしと校長先生は、いよいよ王立学院の入試について話し合った。
 
「学力の方は、まったく問題がないぞ、サクラっ娘。この間、過去の問題集を使って、本番と同じ時間、同じ科目で、模擬試験をやってみたじゃろう? ほぼ全問正解の優秀さで、担任の先生も喜んでおった。多少の緊張はあったとしても、上位合格は間違いない。強いていえば、首席を取れるかどうかじゃな」
「頑張ります! せっかくの機会だから、首席を目指します。校長先生に偉そうにした、入試担当の先生に、後悔してもらいます。だめだったら……諦めてくださいね?」
「ほっほっほ。良いとも、良いとも。大切なのは、サクラっ娘が心置きなく試験に挑むことだけじゃよ。何も気にせず、楽しんでおいで。結果は自然とついてくるのでな。ただ、丁寧な字を書くことだけは、心がけないといかんよ。サクラっ娘の場合、そこで減点されることだけが心配なんじゃ」
「……そんなにひどいですか、わたしの字?」
「わしや担任の先生は、書き殴った字でも、心眼しんがんで判読できるが、慣れない王立学院の先生方には、厳しいかもしれん。いや、まあ、落ち着いて丁寧に書いてくれれば、単に下手くそな字という程度じゃよ。大丈夫、大丈夫」
「……心眼……」
「それよりも、実技試験では何をやるつもりかね? 決めるのはサクラっ娘じゃが、前にもいうたように、出るくいは打たれても、出すぎる杭は打たれないものじゃからの。王国騎士団長閣下のご助力も賜れそうじゃし、後々の面倒を避けるためにも、いっそ多重展開で目立ってしまった方が良いと思うんじゃ」
 
 校長先生のいう〈多重展開〉っていうのは、種類の違う神霊術を重ねがけすることなんだ。めったにできる人がいない、むずかしい神霊術らしいけど、わたしは、小ちゃな頃から自然にできていたんだ。
 校長先生に聞かれて、わたしは、自分なりの計画を話そうと思った。サクラを司る神霊さんにお願いして、校庭に季節外れのサクラの大木を生やしてもらう。それから、雪を司る神霊さんに願いして、雪を降らせてもらおうかなって。秋空の下でサクラと雪なんて、きっと美しいと思うんだ。
 
 でも、わたしが、口を開こうとした瞬間、ずっと気配を消していたスイシャク様とアマツ様が、イメージを送ってきた。〈が師に尋ねるべし〉〈我らには、人の子の《入試》が分からぬゆえ〉〈《たまおろし》は有りや、無しや〉〈雛の力を示すべし〉って。
 初めて聞く言葉だったから、ちょっと戸惑ったけど、スイシャク様とアマツ様は、王立学院の入試のときに、〈霊降〉っていうことをさせたいらしい。わたしは、ちょっとごまかしつつ、校長先生に質問した。
 
「あの、〈霊降〉っていうのは、どうでしょうか? 今、校長先生にお返事しようとしたら、唐突に頭に浮かんできたんですけど」
「何と〈霊降〉じゃと? 〈霊降〉というたのか、サクラっ娘?」
「はい。えっと、何となく、その言葉が浮かんじゃって……。変ですけど、本当なんです。どういう意味かわかりますか、校長先生?」
「わかるとも。サクラっ娘には、教えておらんかったかの? 〈霊降〉というのは、神霊術を使うときに現れてくださる光球が、ご神霊のお姿となって顕現けんげんされることじゃよ。〈霊降〉を、ご神霊のご分体の顕現という学者も多いのう。神霊術の行使に伴って顕現なされるのが〈霊降〉、御神霊の御心みこころのままにご降臨遊ばされるのが〈神降〉といわれておるのじゃ」
 
 校長先生の言葉に、わたしは、ぐるぐる考えた。今、校長先生には見えていないけど、わたしの腕の中にはスイシャク様、肩の上にはアマツ様がいる。最近は、寝ているときも含めて、ずっとそばにいてくれるんだ。
 スイシャク様とアマツ様のお姿は、〈ご分体の顕現〉だって思うから、これって〈霊降〉なのかな? でも、わたしが、神霊術を使ったんじゃなく、スイシャク様とアマツ様が、自在に顕現されるわけだから、〈神降〉のような気もするよ?
 
 でも、まあ、今は受験の話が先だろう。その〈霊降〉を、王立学院の受験で披露したらどうかって、勧められているんだよね、わたし? 二柱ふたはしらが、そういってくれるってことは、やろうと思えばやれる……んだよね?
 いろいろと考え込んで、さっきよりも、もっとぐるぐるになっていたわたしに、瞳を輝かせた校長先生が、こういった。
 
「そうじゃな。サクラっ娘であれば、可能なのかもしれんな。そうだとすれば、素晴らしいことじゃ。長い王立学院の歴史の中で、入試の実技に〈霊降〉をやって見せた受験生は、過去に一人しかおらんからの」
「その一人って、誰なんですか、校長先生?」
「決まっておろう? そのような術は、只人ただびとには使えんよ。そのお一方とは、このルーラ王国において、もっとも尊い至高の君。人にして人にあらざる奇跡の御方おんかたおそれ多くも顕現なされし〈神威しんいげき〉。王国騎士団長であられる、レフ・ティルグ・ネイラ様じゃよ」
 
     ◆
 
 ネイラ様の名前を口にすると同時に、わたしの大好きな校長先生は、その場で頭を下げた。いかにも〈尊い御名ぎょめいを口に出したことをはばかって〉っていう感じだったし、実際、その通りなんだろう。
 ネイラ様が、王立学院の入試のときに、強すぎる神霊術を使っちゃったことは、わたしも知っている。ネッ、ネイラ様との文通で、ご本人が教えてくれたんだ。過剰に干渉してくる人とか、取り入ろうとしてくる人とか、怖がる人とかが多くて、うっとうしくなったネイラ様は、炎の神霊術で王立学院を丸ごと燃やしちゃったんだって……。
 
 もちろん、燃やしたとはいっても、本当に火をつけたわけじゃない。炎を司る神霊さんの力で、幻の炎を燃え立たせたんだ。ネイラ様ご本人も、やり過ぎたって反省しているそうだけど、実際の現場は、ネイラ様が教えてくれたよりもすごかったらしい。
 轟々ごうごうと燃え盛る神の炎が、王立学院の校舎や校庭、先生たちや受験生を取り巻いて燃え盛り、その火柱は王都中から目にすることができたほど。先生や生徒の中には、恐怖のあまり家から出られなくなった人もいたんだって、ヴェル様が話してくれたんだ。受験の実技試験にしては、いくら何でも被害が大きすぎるよね。
 
 でも、校長先生によると、ネイラ様の使った神霊術は、さらにすさまじいもので、どうやら〈霊降〉だったらしい。
 
「誠に幸運なことに、わしは、の御方の神霊術を目の当たりにしたんじゃよ、サクラっ娘」
「え? すごい! どうしてですか、校長先生?」
「ほっほっほ。もう十年は前になるが、当時の学院長だった方が、わしの恩師でな。ある用件で、わしを呼び出されたんじゃよ。ちょうど、ネイラ様が術を使われるときには、学院長と二人、校舎の影から拝見しようということになって……」
「のぞき見しちゃったんですね、校長先生?」
「そう。のぞき見しちゃったんじゃよ、サクラっ娘。あのときのネイラ様は、少し不機嫌に見える表情で、冷たい空気をまとっておられた。まともな感性を持つ者なら、ネイラ様のご不興ふきょうを買う勇気などなかろうに、しつこくつきまとおうとする者が、列をなしておった。まだ少年であられたの方には、さぞかし苛立たしかったことじゃろう。そして、ネイラ様が神霊術を使う番になった頃には、隠しようのない怒りを瞳に浮かべておられ、わしと恩師は、あまりの恐ろしさに震える思いじゃった」
 
 校長先生と学院長が、息を殺して見つめる前で、ネイラ様は炎の神霊術を使ったんだって。印も切らず、詠唱もなく、たった一言ひとこと、ネイラ様が口にした言葉を、校長先生は今も覚えていた。〈神火しんか〉って。
 校長先生によると、ネイラ様がそういった瞬間、秋晴れの真昼の校庭は、夜の闇に包まれたんだって。正確には、私たちの知っている夜ではなく、それくらい暗くて、静まり返っていて、張り詰めた闇だった。そして、生徒や先生たちが、悲鳴も上げられないほどの恐怖に震える中、巨大な力の気配とともに現れたのは、神の炎を身にまとって光り輝く、闇の空を埋め尽くすばかりの、大きな大きな真紅の鳥だった。
 
「その真紅の鳥が、御神霊であられることは、ひと目でわかった。顕現なされたご神鳥が、巨大な翼を数度、ゆるやかに動かされただけで、あたりは一面の火の海となった。赤色から朱色、朱色から白色への、炎は次々に色を変えて燃え盛る。轟々ごうごうと音を立て、火柱は天をくばかりに高く、王立学院にいたすべての者が、声も上げられず炎に焼かれていった……」
「怖い、怖い! 大丈夫だったんですか、校長先生?」
「大丈夫……だったんじゃろう。な。あれほどの業火であったのに、実際には紙の一枚も燃えておらず、小さな火傷をした者さえおらんかった。あの恐ろしい、この世の終わりかとばかりの神の炎は、物質を燃やすためのものではなく、人の心の何かを燃やし尽くしたのじゃろうな」
「……校長先生は、何を燃やされたんですか?」
「それは、いわぬが花じゃよ、サクラっ娘。あの場におったものは、誰一人、語ろうとはせんじゃろう。ただ、炎に焼かれた結果、少しばかり楽に生きられるようになった者と、己と向き合わねばならなくなった者がおったらしい。わしは、優しき神々の慈悲であったと思っておるよ」
 
 そういって、校長先生は、優しく笑った……のは良いんだけど、やっぱり、ちょっと怖すぎない? 真昼の校庭が闇に包まれるって、人にできることじゃないよね? ネイラ様ってば、そこまでとんでもない神霊術を使ったなんて、書いてなかったよね? というか、それって、そもそも神霊術のうちに数えていいものなの?
 わたしが、声にならない叫びを上げていると、語り終えたらしい校長先生が、ほうってため息をついてから、こういった。
 
「恐ろしくはあったが、素晴らしい体験じゃった。そして、後々になって、思い至ったのじゃ。あのとき、天空に顕現された巨大なご神鳥こそ、御神霊のご分体であり、ネイラ様が印も詠唱もなく行われた御業みわざこそ、〈霊降〉であったのだろう。いとも尊く、畏れ多く、美しいものであった」
 
 わたしと校長先生は、ちょっとの間、黙って紅茶を飲んでいた。校長先生は、ネイラ様の〈霊降〉を思い出しているみたいで、半分くらい目を閉じて、じっと何かを考えている。わたしは、残りのパウンドケーキを口に入れてから、肩の上で気配を消しているアマツ様に、こっそりと聞いてみた。
 ネイラ様の受験のときに顕現けんげんしたのは、アマツ様ですよね? それって、〈霊降〉なんですよね? アマツ様もスイシャク様も、王立学院の入試のとき、わたしにも〈霊降〉をしなさいって、いってくれてるんですか?
 
 わたしの質問に、アマツ様とスイシャク様は、すぐに答えを返してくれた。〈〉〈の刻、《神威の覡》の使いたるは、《霊降》也〉〈りながら、彼の御方は、人の子にして人の子にあらざれば、世の常の《霊降》とは異なれり〉〈雛は人の子でりたれば、正しき《霊降》をば使いたれ〉って。
 王立学院の入試で、ネイラ様が〈霊降〉を行ったのは事実だけど、それは正しい意味での〈霊降〉じゃないから、今度は〈人の子〉であるわたしが使いなさい、っていうことだよね? 良いけど、良いんだけど、神霊さんに〈人の子に非ず〉って断言されちゃってるよ、ネイラ様……。
 
 正直なところ、神霊術の〈多重展開〉だけでも、入試ではけっこう目立っちゃうと思う。〈多重展開〉ができる人は、めったにいないんだって、校長先生が教えてくれたし、ヴェル様も同じことをいっていた。
 それでなくても、〈神託の巫〉だって宣旨せんじまで受けちゃって、貴族の間では話が広まりそうだっていうのに、実技試験で〈霊降〉までやっちゃって、わたしは平穏な学院生活を送れるんだろうか? そもそも、入学試験の会場で、意識して〈霊降〉なんてできるんだろうか? ひょっとして、ぴかぴか発光する少女になったら、どうしたらいいの?
 不安といえば、不安しかないし、最近の激動の運命に、着いていけていないっていうのが正直な気持ちなんだ。立場が変わっても、それは神霊さんのお力が働いただけのことで、わたし、チェルニ・カペラは、ただの十四歳の少女だからね。
 
 でも、スイシャク様とアマツ様の指示なら、わたしは、全力でやるしかない。尊い神霊さんのご分体だからじゃなく、いつも優しくしてくれて、導いてくれて、守ってくれる二柱ふたはしらが、わたしは大好きなんだよ。
 勢い良く紅茶を飲み干して、わたしは、校長先生に呼びかけた。うちの校長先生は、〈思索の海にぎ出る〉と、いつまで経っても帰ってこないんだって、ご本人がいってるから、強引に戻ってもらうしかないんだ。
 
「はい! はい!」
「ん? 何かいったかね、サクラっ娘?」
「いいました! わたし、入試のときに〈多重展開〉と〈霊降〉をやってみます。目立つのは嫌だけど、どうせだったら、誰も面倒なことをいってこなくなるくらい、徹底的にやっちゃいます!」
「おお、おお。頼もしいのう。そうしておくれ。というか、いつの間に〈霊降〉までできるようになったんじゃ?」
「それは秘密です。校長先生が、まだそんなにお年じゃないことを隠していたんだから、わたしも内緒にします」
「ほほほ。これはまた、厳しいことじゃな。まあ、良い。サクラっ娘が、思い切りやってくれるなら、わしも実技試験の見学に行くとしよう。邪魔にならないように、物陰からこっそり見ておるよ。困ったことがあったり、緊張しすぎたりしたときは、声を届けておくれ。すぐに顔を見に行くのでな」
「入試の見学とか、できるんですか?」
「ネイラ様が受験なさった当時、学院長だった恩師は、名誉学院長の称号を得ておられるのでな。実技試験の際は、必ず見学なさるのじゃよ。今年は、わしも、お供を願い出るとしよう。考えれば考えるほど、楽しみなことじゃ。長生きはするものじゃな、サクラっ娘」
 
 長生きっていうほどの年齢じゃないって、もうわかっているのに、相変わらずおじいちゃんぶってるよ、校長先生ってば。
 ともあれ、わたしの今後を左右するかもしれない、王立学院の入試は、いよいよ本番を迎えようとしている。わたしが、〈霊降〉をするって宣言したことで、スイシャク様とアマツ様は、大喜びをしているみたい。おまけに、何だかいろんな神霊さんが、ざわめいている気配がするのは、気のせい……だったら良いな……。
 

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