小説コンテストを開催することにした、駆け出し出版社の話(チラシ配布編)
こんにちは、この1年で7キロ太った、opsol bookのヤナガワです。生活を見直さなきゃ~と年明け前から言っていたのに、何もしないまま3月になりました。戒めとして、ここに書き記しておきます。
さて、今回は「チラシ配布」編をお届けします。
現在開催中の「第1回ハナショウブ小説賞」では、「介護」「医療」「福祉」をテーマにしたフィクションの小説を、長編部門、短編部門、中学生部門、小学生以下の部門の4部門で募集しています。
ちなみに、中学生部門、小学生以下の部門は800字から応募が可能です。まだまだ間に合いますので、学生の皆さまもぜひ、春休み期間中に挑戦してみてください。
▼ハナショウブ小説賞の詳細はこちらをご覧ください。
部門を設けているからには、小中学生の皆さまにもじゃんじゃん応募してほしい。
そこで、市内の小中学生にチラシを配布することにしました。
学校ごとにチラシをまとめ、段ボールにIN。搬入場所はすぐ近くなので、段ボールを台車に載せて徒歩で向かいます。なかなか重さはあるものの、これくらいならいける! と己を過信した私は、意気揚々と会社を後にしたのです。
グレーチングの罠
会社を出て5秒、早速ピンチが訪れます。
チラシの搬入場所は道路を挟んだ向かい側、歩いて1分もかからない距離です。それなのに、わずか5秒で襲い掛かる危機とは一体。
そう、弊社の敷地と歩道の間には、「グレーチング」があったのです。
足下のトラップに全く気付かないまま進んだ結果、台車のタイヤはこの網目にシンデレラフィット。
盲点でした。まさかこんなところで躓くなんて。チラシの重みのせいで、グレーチングに嵌まったタイヤは、そう簡単には抜けません。完全に油断していました。
「一人でいけそうです!」と言った数分前の愚かな私を恨む。恥を忍んで編集部からヘルプに来てもらおう……と諦めかけたそのとき、背後に現れたのは、別部署の方でした。
「手伝いますよ~」と台車の前輪側を持ち上げてもらい、ものの3秒で無事に救出。あんなにガッチリと嵌まっていたタイヤが、無事地上に舞い戻ってきました。
本当にありがとうございます。助かりました。
最大の感謝を捧げつつも、私は気付いてしまったのです。「現場が事務所の窓から丸見え」ということに(ちなみに、編集部の事務所からは見えません)。
わざわざ外に出てタイヤを持ち上げてくれたということは、つまり、溝に嵌まった台車の救出に必死になっている姿の一部始終を、見られていたということ。
なんということでしょう。
恥ずかしがってももう手遅れです。見られていたものは仕方がありません。恥をかき消し、涼しい顔をすることに決めました。
お礼を伝え、再び搬入先へ向かいます。この先の道のりを頭に浮かべ、グレーチングの脅威は潜んでいないことを確認しました。あくまでも、脳内で、です。
再び迫りくる危機
数々の段差にも果敢に挑み、搬入先の玄関まであと数メートル。
徒歩1分弱の道のりが、とても長く感じました。
まあ、もう到着したも同然ですし、勝利の女神は私に微笑んでいるはず。
いざ行かん!
意気込みながらふと地面を確認。そこには。
あったんかい!
いや、焦るのはまだ早い。向こう側の入り口からなら……。
こっちもかい!
念のためその先も確認しましたが、あっちにもこっちにもグレーチング。これは諦めてミッションに挑むしかありません。
弊社敷地内でトラップに引っかかるのとは訳が違います。盛大にズッコケる姿を周囲の方に見られるわけにはいきません。
まずは作戦会議(参加人数:一人)。
noteでは、ヤナガワ作の図を元に説明します。
ちなみに前回のサムネイルは、スキレットの写真(フリー素材)の中に目玉焼きを描きました。Wordの描写ツールで。
サムネ画像を選ぶ際のこだわりはまたいつかお話しします。
目玉焼きを描くの楽しかったし、いっちょグレーチングも描いてみっか! と意気込んだ結果がこれです。なんだかスチールロッカー(2段)に見えてきました。
作戦会議に戻ります。
1回目は、こう進んで穴に嵌まりました。
もしかして、こっち向きに進めば嵌まらないのでは?
緊張の一瞬。いざ、行かん!(2回目)
勢いよく台車を押す私と、勢いよくグレーチングに嵌まるタイヤ。
勝負は一瞬。完敗です。
このまま力業で、などという愚かな考えは捨て、大人しく段ボールを一旦退けてタイヤを救出。なんとかここも突破し、無事にチラシ搬入を終えたのでした。
ここまで書いて気が付きました。
もしかして今回、チラシ配布編ではなく、グレーチング編?
第1回ハナショウブ小説賞の応募締め切りは3月31日(金)です!
引き続き、皆さまのご応募をお待ちしています。
本日のヤナガワ
あの溝の蓋が「グレーチング」という名称であることを、今回のnoteで初めて知りました。
溝を見ると、小学生時代の思い出が蘇ります。
※虫の話です。
友人と2人でダンゴムシを捕まえていたある日のこと。
私は、友人がトイレに行っている間、ダンゴムシ(ダンゴちゃん〈仮名〉)を預かっていました。
丸まっている姿を眺めながら、手のひらの上で転がしていたその瞬間、ダンゴちゃんが勢いよく開いたのです。
あの時の光景は忘れもしません。詳細は割愛しますが、15年以上経った今でも、あの姿を鮮明に思い出すことができます。恐怖に慄いた私は、大きく腕を振りかぶり、ダンゴちゃんを投げました。それはもう、思いっきり。
宙に浮いたダンゴちゃんは、そのまま地面に降り立ち、溝の方へと消えていきました。戻ってきた友人に、どのような言い訳をしたのかは覚えていませんが、この数分の出来事は今後も忘れることはないと思います。
それ以来、ダンゴムシは苦手な虫トップ3に君臨しています。
あの時はごめんね、ダンゴちゃん。