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編集部日記(勝利宣言撤回編)

こんにちは、opsol bookのヤナガワです。

今年の夏、我が家では、ワンプッシュすれば室内から蚊がいなくなる(退治できる)スプレーを導入しました。

その効果は絶大で、昨年の夏と比べて、今年は蚊の気配を感じたことがほぼなかったように思います(個人の感想です)。なんと。すごいと聞いてはいましたが、これほどまでとは。

就寝時に耳元で奏でられるブ~ンという軽快な飛行音。なぜか手足の指先を狙った犯行。こちらが何度襲い掛かっても目の前に現れ続けるタフな精神。そういえば、今まで悩まされてきた全ての事象に、今年はあまり遭遇していないのです。

それもこれも、全部あのスプレーのおかげ? 私はついに、因縁の相手に勝ったのだろうか?

季節はもう秋を迎えようとしています。きっと、私がこのスプレーで難を逃れていた間に、蚊たちも活動終了に向けて準備を進めているのではないでしょうか。

しめしめ、今年は私の勝ちのようだな。

勝利を確信していた私は、「また来年戦おうな」と思ってもいないことを心の中で呟きながら、蚊への別れを告げました。

そう、告げたはずなのですが。

先日、私は信じがたい話を耳にしました。

事務所内でヤマザトさんと会話を交わしていたMs.レモンチェッロさんが、眉をひそめながらこう言ったのです。

「今年の夏は暑かったからさ、蚊もあんまり出やんかったやんか。だから、秋にかけて涼しくなるこれからが、蚊のシーズンらしいよ」

嘘やん。

二人の会話をこっそり聞いていた私は、衝撃のあまり震えていました。てっきり私は来年まで蚊と戦う必要がないと思っていたのに、どうやらこれからが本番らしいのです。調べてみると、確かに蚊の活動が活発化するのは秋から、という記事が多くありました。

完全に私の負けです。睡魔を感じ始めた途端に感じる奴らの気配も、身体のあちこちに感じるあのかゆみも、私が無条件に血を吸い取られるのも(ついでに唾液を注入されるのも)すべてこれからだったのです。

そういえば、今年はまだ事務所内でも蚊を見かけた記憶がありません。昨年は事務所内でもよく蚊に刺されていたような気がするのに。あのときは、特にデスク下に隠れている足元を狙った犯行が多く、布で覆われているはずの太ももを刺されたときの絶望ったらありません。社内であっても、腕やひざ下であればギリギリ塗り薬を使用できますが、太ももはそうもいきません。特に太ももの付け根に近い場所であればあるほど、衣服を捲り上げるわけにもいかず、塗り薬の塗布は絶望的です。このかゆみから逃れるには、「刺されてなどいない」と思い込むしか有効な手段が思い浮かびません。かと言って、本当にそれで誤魔化すことができるのかと言われると、大きな声で「はい!」と言えるわけでもなく。結局、刺されないために対策をするのが一番なのでしょうか。

幼い頃から、何一つ変わらない手口で血を吸い取られ続けてきましたが、いつまでも簡単に血を捧げるのは癪な気がしてきました。ここはやはり、全力で対抗せねば。

7月~8月に自宅でスプレーを使用したのは数回だったと思います。まだ中身は半分以上残っているはず。追加で身体や衣服にも使用可能な虫よけ商品を調達すれば、これから再び行われる蚊との戦いにおいて、私の勝利の可能性はきっとあります。

「まだ」完全勝利とはなりませんでしたが、今秋、私はきっとやつらに勝ちます。むしろ、Ms.レモンチェッロさんの一言を聞いていなければ、私は丸腰のまま秋に迫りくる蚊の逆襲に挑まねばならないところでした。

とりあえずセーフということで、今日は終業後に薬局に寄り、蚊対策グッズ巡りをしようと思います。デスク常備用の虫よけスプレーも買っておかないと、ですね。どうか、秋以降の私が、社内で太ももまで衣服を捲り上げずに済みますように。

ここまでお読みいただきありがとうございます。それではまた、次回の更新でお会いしましょう!


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