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編集部日記(ドッジボール編)

こんにちは、opsol bookのヤナガワです。

デスクワークの日々が続き、プライベートで身体を動かすこともなく、一日の運動量はほぼゼロ。私はこれまで、何度も改善を試みては、そのたびに挫折を繰り返しています。社内には同じような仲間がたくさんいるので、危機感はとうの昔にどこかへ消えてなくなりました。

いつからこうなってしまったのか。振り返ってみると、小学生時代の私はここまで運動を渋る人間ではありませんでした。

お昼休みには運動場へと向かい、クラスメイトと鬼ごっこやボール遊びをし、雨の日は体育館でフラフープや縄跳びをして遊ぶ。学生時代、一貫して苦手教科は体育一択であったものの、人並みに体を動かして遊ぶことが多かったように思います。

それに引き換え、大人になった現在の私は、勤務中にお手洗い以外で席を立つことはほぼありません。デスクの引き出しに、お菓子専用のスペースまで作っちゃって。体重が右肩上がりになるのも当然のことです。このままだと、ダイエットネタを擦り続けた挙句、何の成果も出ないまま2023年が終わってしまうことでしょう。

新しく運動を始めるにあたって、さまざまなスポーツへの挑戦を考えました。しかし、なかなかピンとくるものはありません。そもそも、これまでの人生で運動が得意だと自負したことは一度もないのだから、健康のためとはいえ、無理に始める必要があるのでしょうか? 自分で決めたことなのに、今更疑問が出てきました。陸上競技全般は論外、体育の授業で数回経験したことがあるテニスやバレーボールも、当時は散々な有り様でした。そんな私に、一体何ができるのか。

あえて一つ挙げるのであれば、ドッジボールだけは苦手意識が低かったように思います。

「いや、運動が苦手なのにドッジボールはできるんかい」とお思いのそこのあなた。私は決して、ドッジボールが強いわけではありませんし、速い球を投げることもできません。もちろん、百発百中で外野に球を届られるような肩の強さがあるわけでもありません。では、一体何ができるのか。そう、投げることも、キャッチすることもできない私は、「避ける」ことが大得意だったのです。

避けるといっても、高く跳んだり、軽やかなフットワークで躱したり、そういった類の避けではありません。ただ、コート内を前後に行ったり来たりするだけです。敵の内野にボールが渡ったら後ろへ逃げ、外野にボールが渡ったら前へ逃げる。その繰り返しだけで、いつも最後の数人となるまで残り続けました。もちろん、私が残ったところで攻撃が有利になるわけではないため、劣勢の試合では逆転することなく負けてしまうのですが。

まあ落ち着いてください。そんな前後移動だけで一体何ができるのだと、そう感じるのも無理はありません。

この移動方法にはいくつかコツがあります。

まずは大前提として、大人数で固まらないこと。ドッジボールが苦手な人は、どうしても仲間がいる場所で固まりがちです。しかし、複数人と一緒に逃げてしまうと的が広がるわけで、その分狙われる確率も上がります。時には見方を盾にしつつ、孤独を貫くことが生き残るための第一歩なのです。

次に、背中を向けないこと。一つ目のコツもそうですが、インターネットで「ドッジボール 逃げ方 コツ」と検索すると出てくるような、ありがちな意見ですよね。でも、これは大事なことなので、肝に銘じておいてください。

ボールを持った相手に絶対に背中を向けない。私は絶対にあなたから視線を逸らしませんよ、と強い意志を持って見詰め続ける。そして、球を投げるために腕を振りかぶったその瞬間に、相手の方へと駆け出す。

こうすることで、私の圧を感じた相手は、無意識に私のいない方へ球を投げることでしょう。たまに、ギリギリで方向転換をして球が飛んでくることもありますが、そうなった場合は何とかして避けてください。

本当にちょっとしたことですが、あの頃は確かに、この「避け」の一手に大きな自信がありました。運動が苦手な子どもだった私が、唯一誇っていたことです。

ここまで書いたところで、大事なことを思い出しました。ドッジボールは一人じゃできないですね。二人いても、ただのキャッチボールですし。そもそも、体育館や公園が近隣にあるわけでもなく、今の私にとってドッジボールは少しハードルが高かったようです。諦めて、ほかの運動を検討します。始めやすいのは、やっぱりウォーキングかなあ。

ここまでお読みいただきありがとうございます。ちなみに、大の苦手だったサッカーの授業では、果敢に胸トラップに挑み続けていました。挑戦する勇気は認めてあげたいですね。それでは、また次回の更新でお会いしましょう!


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