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君の「普通」が羨ましい。/第2回ハナショウブ小説賞 テーマ部門大賞受賞『ハローハロー』著:九津十八 発売のお知らせ

2023年開催「第2回ハナショウブ小説賞」テーマ部門で大賞を受賞した『ハローハロー』著:九津十八ここのつとおようが本日2025年1月29日(水)に発売となりました!

ハローハロー(著:九津十八)

●2025年1月29日(水)発売
 *電子書籍版も同日発売
●定価:1,870円(本体1,700円+税)
●ISBN:978-4-434-34937-9
●四六版ソフトカバー
●発売元:星雲社

あらすじ
吃音に悩む中学生・加瀬真中は、いじめが原因で不登校となったまま、中学三年生になった。そんな真中のもとに、車椅子に乗ったクラスメイト・明石京子が訪れる。
ピエロのように作り笑顔を浮かべて不都合なことをやり過ごしてきた真中と、自身のことを歩けないカカシだと皮肉る京子。互いを見下し合う関係でいることで、心穏やかな学校生活を送らないかと京子に提案され、奇妙な関係を築いていく二人だが……。

友達でも恋人でもないふたりの関係を、人はなんと呼ぶのだろう。

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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000086349.html


担当編集より

「ふたり」がテーマの第2回ハナショウブ小説賞 テーマ部門で大賞を受賞した本作は、吃音の少年と、車椅子に乗った少女の心の叫びを描く社会派青春小説です。

吃音が原因でいじめに遭い、中学一年生の頃に不登校になった加瀬真中は、自室の中でひとり、まるで世界中から取り残された気分で毎日を過ごしていた。いつもと変わらない一日。中学三年の夏休み明けのことだった。進路調査のプリントを届けるため、クラスメイトの明石京子が真中の自宅を訪れる。

真中は、彼女を知っている。まだ学校に通っていた頃、校内で何度か見かけたことがあった。ただ、あの頃の記憶とは大きく異なる点がひとつ。今、目の前にいる彼女は、車椅子に乗っているのだ。どうして? 怪我でもしているのだろうか? そう思ったが、その疑問が言葉になることはなかった。

この日の京子の訪問をきっかけに、真中はもう一度学校に通うことを決意する。

――

「君さ、安心したんでしょ。学校には自分より不幸な奴がいるって」

2年振りに登校した真中に対し、京子は言う。続けて、こんな提案をした。互いを見下し合う関係でいることで、心穏やかな学校生活を送らないか、と。この日を境に、友達とも恋人とも呼べない奇妙な関係を築いていく二人だが……。

あなたにとっては「普通」でも、私にとっては「普通」じゃない。
そして私は、あなたのその「普通」が羨ましい。

目を逸らしてきた現実を、ガツンと突きつける。けれども、読者の心にそっと寄り添ってくれる。そんな物語です。ひとりぼっちでは難しくても、「ふたりぼっち」なら戦えるかもしれない。
ぜひ、ひとりでも多くの皆さまにお手に取っていただきたい一作です。

著者:九津十八(X:@kokonotsu18
1987年生まれ。兵庫県加古川市出身。
2024年に『ハローハロー』が第2回ハナショウブ小説賞テーマ部門大賞を受賞、同作にて小説家デビュー。野球観戦とゲーム配信視聴が趣味。

▼opsol book公式サイトでは、著者の受賞コメントを掲載中です!


装丁(ブックデザイン)は、宮川和夫さん、装画(イラスト)は金子幸代さんにご担当いただきました。

ブルーが印象的なカバーには、真中と京子の姿が描かれています。
俯く真中と前を見つめる京子。二人の視線の違いが意味するものとは? ぜひ、本編でお確かめください!

装丁:宮川和夫(宮川和夫事務所)
X:@MIYAGAWA1026
公式サイト:https://miyaga.wixsite.com/miyakazu-bookdesign
ビジネス書、実用書から、文芸、人文、エッセイ、写真集、辞書、絵本まで幅広く手がける装丁家。
元一般社団法人日本図書設計家協会 会長。文星芸術大学、京都芸術大学非常勤講師。​

装画:金子幸代
X:@kani_y
公式サイト:https://www.kanekoyukiyo.com/
書籍装画、文芸誌の挿絵などを手がけるイラストレーター。主な装画担当作に『リラの花咲くけものみち』(光文社)、『星を掬う』(町田そのこ/中央公論新社)など。

刊行に関する最新情報は、opsol book公式SNS(note、X等)及び公式ホームページにてご確認ください。

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刊行作品のご紹介

『フェオファーン聖譚曲』シリーズ(菫乃薗ゑ)

定価 本体1,800円+税 四六ハードカバー

強大なる中央集権国家を維持するため、 稀代の悪法を用いて繁栄を極めてきた「黄金の国」ロジオン王国が、今、ひそやかに、変革の時を迎えようとしていた。
その引き金を引くのは、「才に乏しい」と評される一 等魔術師・アントーシャ・リヒテル、そして、王国への 怒りが限界を突破している一部の地方領主たちだった。 黄金の国はその流れを堰き止めることができるのか。一方、アントーシャたちが強大な王国を倒すために採ろうとしている前代未聞の手法とは――。

『ハートレス・ケア』(小原瑞樹/2024)

定価 本体1,600円+税 四六判ソフトカバー

就職活動が難航し、やむなく有料老人ホームで介護士として働くことになった大石正人。介護の仕事に意義を見出せず退職を考えるも、今後の転職活動に支障が出ることを恐れ、せめて半年、その間だけの辛抱だと自分に言い聞かせている。
利用者に寄り添う優しい介護士になんてなれないし、なるつもりもない。人気のある職業に就いた友人の話を聞いては劣等感を抱き、今の自分を「負け組」だと卑下する日々が続く。
どうせ半年で辞めるのに。新しい業務を覚えながらもそう考えていた正人は、現場で働く職員たちの姿を見て、とある疑問を抱いた。どうして、この人たちは介護の仕事を選んだのだろうか――。

『光を受ける者たち』(那月珠雨/2024)

*電子書籍のみの販売です。

第1回ハナショウブ小説賞の短編部門にて大賞を受賞した「光を受ける者たち」(著・那月珠雨)に加筆修正を行い、opsol bookより電子書籍化!
本作は、特別支援学校を舞台とした短編小説で、著者が高校在学中に執筆。校外活動のボランティアとしてやってきた高校生たちと引率教員、そこで勤務する教員たちの出会いと葛藤を、瑞々しい感性で描いた作品です。
発行形態:電子書籍
価格:本体価格350円+税
販売電子書店:Kindleストア、紀伊国屋書店、楽天Kobo、BookLive!、honto、Reader Store、auブックパス、 iBooks Store、理想書店など


『神霊術少女チェルニ1 神去り子爵家と微睡の雛』(須尾見蓮/2021)

定価 本体1,800円+税 A5変型版ハードカバー

ほとんどの国民が神霊術を使うルーラ王国の南部。
「チェルニちゃん、いてくれてよかった。きみに力を貸してほしいと思っているんだ。街の子供たちが三人、拐われたかもしれない」
この誘拐事件をきっかけに、チェルニの運命は大きく動き出す――。

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