編集部日記(お餅編)
こんにちは、opsol bookのヤナガワです。
一年を通してさまざまな行事に用いられるお餅。我が家の消費ピークはお正月であり、年末年始が過ぎた今、食べきれなかったお餅が冷凍庫で眠っています。
一月某日。空腹には耐えられないけれど、夕食の用意が面倒くさい。そう思いながらキッチンで途方に暮れていたときに、お餅の存在を思い出しました。そうだ。これを食べればいいんだ。
幸いにもまだ冷凍する前だったので、解凍する手間もかかりません。早速準備に取りかかり、この日は二個のお餅を胃に迎えることが決定。
いつもは一つずつ電子レンジで加熱していましたが、より大きなお餅が生まれることを願って、今回は二つまとめて温めてみました。今思えば、お腹が空きすぎて限界だったのでしょうね。
お皿にお餅を載せて、電子レンジへIN。とりあえず一分間温めてみます。
加熱終了の音が鳴りお皿を取り出してみると、二つのお餅はまだ固く、お世辞にも私の理想とは言えませんでした。もっとこう、もちもちになってほしいんだよなあ。
もう少し柔らかな一つの個体へと成長させるため、再び電子レンジへ。先ほどの一分では全く温まっていなかったため、二分追加でやってみます。
加熱している間、私はリビングでテレビを観ていました。背後では、電子レンジの中から「バフッ……バフッ……」という断続的な破裂音が聞こえます。お餅は膨らみますし、その音自体に違和感はありません。順調にもちもちになっているんだろうな。そう信じて疑わず、加熱終了の音が鳴るまで、電子レンジの方を見向きもしませんでした。
二分後、やっとお餅が食べられるとウキウキしながら電子レンジを空けた私は、己の目を疑いました。
見たことがないレベルで膨らんだお餅が、まるでラップのように上部を覆っていました。これが……お餅……?
正しい温め方を調べてみると、どうやらお餅を水に浸したり、くぐらせたりするらしいです(あとはマストでお餅同士を離していました)。だって……いつも一つだけ温めるときは水なしでも問題なかったんですもん……。いや、普通に考えてお餅同士は離すべきですよね。空腹のあまり正常な判断ができていませんでした。
水を入れなかったこと。二つのお餅を重ねてお皿に入れたこと。加熱中にサインを出していたにもかかわらず、様子を見に行かなかったこと。その全てが裏目に出て、まさかラップ化するだなんて想像もしていなかったのです。
まあ、酷いのは見た目だけのはず。この膜を破れば、内側にはもちもちのお餅が待っているはず。そう信じてプスプスと膜を破ると、中にはガッチガチに固まったお餅の本体が。思っていたのと違う。
器から剥がれないお餅。まるで干し芋を食べているかのような歯ごたえ。気を抜くと歯が持っていかれます。今、自分は何を食べているのか。お餅を二個も使って生み出した食事がこれ?
一つずつ加熱していれば、もしくは正しい方法で二つ加熱していれば得られたであろう幸福を失ったどころか、食後の食器洗いで地獄を見る始末。いくら擦ってもお餅が剥がれる気配などなく、お湯でふやかしながら、少しずつ器を元の状態に戻していきました。一枚のお皿を洗うのに、10分は費やしています。
もう、面倒だからといってお餅を重ねて温めたりしません。今後は一餅一温を胸に刻むことを誓います。皆さまもお気を付けください。
ここまでお読みいただきありがとうございます。弊社には電子レンジがあるので、昼食にお餅もアリですね。あの日のトラウマが消えたらやってみようと思います。それでは、また次回の更新でお会いしましょう!
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