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【第1回ハナショウブ小説賞】授賞式を開催しました!

2023年10月14日(土)に、三重県伊勢市にて第1回ハナショウブ小説賞授賞式を開催しました。

当日は、5名の受賞者様に出席していただきました。

●長編部門 大賞 小原瑞樹|おはらみずき
●長編部門 金賞 南木野なぎのましろ様
●短編部門 大賞 那月珠雨なづきしゅう
●短編部門 金賞 草為くさなり
●小学生以下の部門 最優秀賞 梅月誠うめづきせい

 短編部門 opsol book賞 雑草ざっそう
 短編部門 opsol book賞 佐藤さとうみずほ様
 中学生部門 opsol book賞 マリア様
 小学生以下の部門 opsol book賞 KANNA様
 以上4名様は、お仕事や学校のご都合で欠席となっております。

▼第1回ハナショウブ小説賞 最終結果発表はこちら


◆受賞者挨拶

長編部門 大賞 小原瑞樹おはらみずき

受賞作:『Why do you care?』

このたびは大賞という大変栄えある賞に選んでいただきまして、本当にありがとうございます。この作品は介護をテーマにした作品であり、私が実際に介護職員として有料老人ホームで働いていたときの経験を基に書いた作品です。当時の記憶を思い出しながら、自身の体験をなるべく詳細に描くことで、リアルな介護現場を伝えたいと思っておりました。辛かった経験を思い出し、執筆が進まなかったこともありましたが、それでもなんとか完成させ、今回大賞という賞を頂けて本当に光栄です。

今、世間では介護職が不足しているということがニュースになっています。書籍という形で皆さまにこの作品をお届けすることで、一人でも多くの方が介護業界に興味を持っていただき、介護職を目指すきっかけになってくれればと願っています。

長編部門 金賞 南木野なぎのましろ様

受賞作:『こじらせアラフォーはあきらめない』

このたびはハナショウブ小説賞 長編部門の金賞に選んでいただき誠にありがとうございます。
私自身は医療従事者ではなく、作中で医療シーンを書くにあたってすごく苦労はありましたが、最後まで楽しく書くことができました。これまで書いてきた作品の中でもお気に入りの作品だったので、このような形で評価していただけて本当にうれしく思います。これからももっと良い作品を書いていけるよう努力したいと思います。改めて、今回の受賞を本当に光栄に思います。

短編部門 大賞 那月珠雨なづきしゅう

受賞作:『光を受ける者たち』

このたびはこのような素敵な賞を受賞することができて、とても光栄です。この作品は、私が高校生のとき、実際に特別支援学校にボランティアの生徒としてお邪魔した際のことを小説にしました。そのときの経験は、自分の考え方や人生にいい影響を与えてくれたと感じています。いつか小説にしたいと思っていたときに、このハナショウブ小説賞を見つけ、せっかくの機会だと思い応募させていただきました。それが連鎖してこのような結果に繋がったことをとてもうれしく思います。

短編部門 金賞 草為くさなり

受賞作:『おばあちゃんも魔女』

このたびは、短編部門金賞に選んでいただき、本当にありがとうございます。公募サイトを見てハナショウブ小説賞を知ったのですが、募集テーマを見たときに、これは書けないなと思いました。「介護・医療・福祉」に関しては全く詳しくなかったので、どうしたものかと悩んだのですが、祖母と過ごす日々を基にすれば書けるかもしれないと思い『おばあちゃんも魔女』として応募させていただきました。絞り出したものがこうして評価していただけて、とてもうれしく思います。祖母は伊勢うどんが好きなので、結果の報告と感謝を込めて、うどんをたくさん買って帰りたいと思います。

小学生以下の部門 最優秀賞 梅月誠うめづきせい

受賞作:『四世代家族の日常』

このたびはこのような素敵な賞を受賞させていただきありがとうございます。私が小説を書き始めたときは、趣味の範囲で楽しもうと思っていました。しかし、いろいろなお話を書いていくにつれ、誰かに自分の作品を読んでもらいたいという気持ちが芽生え、小説投稿サイトや公募に応募するようになりました。そんなとき公募サイトでハナショウブ小説賞を知り応募しようと思いましたが、「医療・介護・福祉」というテーマに頭を抱えました。どれもあまり身近に感じることがなく、私に書くことができるのだろうかと思いながら書き進めていきました。母からひいおばあちゃんとの思い出を聞き、それを基にこの作品を書いたので、思い入れのある作品となっています。最優秀賞を受賞させていただき、本当にうれしく思います。この小説賞に関わった全ての関係者様ありがとうございました。

◆祝辞

選考委員:鈴木 征浩(opsol株式会社 代表取締役社長/opsol book代表)

皆さま、このたびは本当におめでとうございます。受賞者の皆さま、そしてご家族ご関係者の皆さまに心よりお祝い申し上げます。

opsol bookは、地方にある小さな出版レーベルで、出版実績が何十点とあるような会社ではございません。その中で、大手様のものまねではなく、弊社だからこそできること、私たちがやるからこそ意味のある出版に取り組めないか、ということを編集部内で話し合いを重ねた結果、辿り着いたのがこの「ハナショウブ小説賞」という賞になります。

ハナショウブが三重県の県花であるということがまず一つ。そして、ハナしでショウブとあるように、お名前や実績ではなく、お話の中身で勝負をしていただき、ハナショウブの花言葉にあるような「うれしい知らせ」を皆さまにお届けできればという思いで、賞の名前を付けました。

賞の名前やロゴ、いろいろなものを素人たちが作りあげた結果、今この場があります。大きな実績のない出版社ですので、この賞を知っていただけるのか、あるいは知っていただけたとして、信用・信頼していただき、大切な作品を応募という形でお預けいただけるのだろうかと、不安な日々を送っていました。しかし、募集締め切りが近付くにつれて、ありがたいことにどんどん応募が集まり、最終的に予想を遥かに上回るたくさんのご応募をいただくことができました。

喜んだのも束の間、次は審査という非常に責任の重い過程が待っておりました。個人的な意見として、小説に絶対的な良し悪しはないと思っています。小説というのは、読む方の立場、感情、考え方など、それぞれが自身で受け止めて昇華し、最終的に作品が成立するのではと思っている次第です。このような賞を設けておきながらも、作品に優劣をつけるということは非常に困難を極める作業でしたが、やはり出版を生業にしている身として、責任を持って、胸を張って選考させていただきました。選考会議を繰り返し、最終的には選考委員の宮川和夫さんにも参加していただき、このたびの結果を決定することになりました。

たくさんの作品をご応募いただけた中で、どの作品にも個性があり、審査は大変苦労いたしました。読みながら嚙み締めたのは、本当にありがたい、本当にうれしいという気持ちでした。弊社だからできることをやろうということで、「介護・医療・福祉」という少し狭いテーマを設定したにもかかわらず、皆さまがそれぞれの角度でそのテーマを料理してくださり、個性豊かな味付けになって我々の前に頂戴することができたということで、喜びをかみしめながら読ませていただきました。

改めて、皆さまに感謝申し上げます。ハナショウブ小説賞に大切な作品をご応募いただき本当にありがとうございました。(一部抜粋)

選考委員:宮川 和夫(装丁家〈宮川和夫事務所〉)

受賞者の皆さま、このたびは受賞おめでとうございます。出版という厳しい舞台に船出したopsol bookと、本日受賞した皆さんに心からエールをお送りいたします。

装丁家とはどんな仕事をしているのか、皆さまはご存じでしょうか。例えば、どのくらいの文字の大きさで、1行何字で、1ページに何行入れるか、という設計をしています。更に、それをこの紙に印刷するという指示をします。扉はどういう紙で、どういうインクで印刷をするのか。見返しを決めて、表紙をデザインし、紙を決める。この作業の中で、多くの時間を費やすのがカバーです。どのイラストレーターに依頼して、どんな紙で、どういう印刷にするのか。タイトルはどういう書体で、どこに入れるのか。縦に入れようか、横に入れようか、いろいろ考えます。帯も同じく、紙を決めて、デザインをして、印刷します。

このような一帯が、装丁という仕事です。普段、皆さまが何気なく手に取っている本というのは、こうして世の中に出ているわけです。テキストという二次元のものを三次元の本というものにして初めて、皆さまが読むことができる。私は、そんな仕事をしています。

ところが、近年は本が売れなくなりました。もちろん、電子書籍というものの存在も大きいですが、それだけではありません。本を読む人が少なくなり、街から書店が減っているのです。

皆さまは、書店の楽しみとは何だと思いますか? 便利な世の中なので、書店に行かずとも本は購入できます。けれど、書店というのは、自分が思ってもいなかった本に出会える場所なのです。「この本を買おう」と思って書店を歩いていても、「面白そうなタイトルの本があるぞ」と、そういう出会いがある場所です。その喜びは、絶対になくなってほしくない。そして、本を読む文化が今後も残ってほしいと、そう強く願っています。(一部抜粋)

祝電:菫乃 薗ゑ(作家)

受賞者の皆さま、このたびは誠におめでとうございます。

今回は、介護をテーマにするという難しい条件の中、読み応えのある作品のご応募が多数あったと伺っております。大賞の小原様、武内様をはじめ、受賞された皆さまが、それぞれに素晴らしい力量を発揮され、受賞なさいましたこと、心よりお喜び申し上げます。

出版業界では、紙の本は売れない、特に文学は売れないと、常識のように語られております。皆さまのような新鮮な作者様の誕生によって、再び文学への注目度が高まっていきますよう、願っております。本日は誠におめでとうございました。


opsol book編集部より

改めまして、受賞者の皆さま、このたびは受賞おめでとうございます。また、第1回ハナショウブ小説賞へご応募いただきました皆さまに、心より感謝申し上げます。

まだまだ小さな私たちですが、今後もハナショウブ小説賞は続いてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします!


第1回ハナショウブ小説賞 結果発表!

最終選考結果が発表されました!
▼受賞作品は公式サイトをご確認ください。

〈刊行作品のご紹介〉

『神霊術少女チェルニ1 神去り子爵家と微睡の雛』(須尾見 蓮/2021)

定価 本体1,800円+税 A5変型版ハードカバー

ほとんどの国民が神霊術を使うルーラ王国の南部。
「チェルニちゃん、いてくれてよかった。きみに力を貸してほしいと思っているんだ。街の子供たちが三人、拐われたかもしれない」
この誘拐事件をきっかけに、チェルニの運命は大きく動き出す――。

▼noteでもお読みいただけます!


『フェオファーン聖譚曲オラトリオ』シリーズ(菫乃薗ゑ/2020)

※絶版中、現在新装版刊行準備中。

「私には、この大王国の黄昏の鐘が聞こえるよ」
王族、政治家、騎士たちのさまざまな思惑の中行われようとしている禁忌の「召喚魔術」。
アントーシャたちは、果たしてそれを止めることができるのか。そして強大な王国を倒すために採ろうとしている前代未聞の手法とは――。

▼リニューアル版(op.Ⅰ)はnoteでもお読みいただけます!