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理想と現実

こんにちは、opsol bookのヤナガワです。

私は昔から髪の毛の量が多いタイプで、毛質もバリカタです。家系ラーメン風に言うと、硬め濃いめ多め。髪が柔らかく、程よい毛量の人をずっと羨ましく思っていました。

特に、髪を縛ると短所が本領を発揮してきます。これまでチャレンジした髪型の理想と現実はこちら。

(1)理想の二つ結び

髪が肩に当たって緩やかなカーブを描く感じ

現実

肩に負けない屈強な毛

(2)理想の一つ結び

毛束がまとまって下に流れる感じ

現実

竹ぼうきのような質感

(3)理想の三つ編み

毛先が丸く内に入る感じ

現実

ほぼ筆

総じて思い通りにはいっていません。特に、一つ結びなんかは自分ではどうなっているのか見えないところが悪質です。本人はきれいにまとめているつもりなのですから。

己を客観的に見る機会がほぼないので、たまに自分が写った写真を見ると、「あれっ、私の髪の毛ってこんな感じ?」と衝撃を受けることがあります。ほかの人の写りは、私が普段見ているその人となんら変わらないのに。鏡に映った自分の姿は通常よりも可愛く見えると言われていますし、無意識に髪の毛にもフィルターをかけて見ているのかもしれません。

美容室での攻防

思い返せば、前回美容室に行ってから約1年の時が経っています。お金も時間もかかるし面倒だからと、前髪や顔周りはセルフカットを続け、後ろは結局縛ってしまうので放置していました。

しかし、さすがに(2)の状態を見てしまうと、このままで良いとは思えません。早急に対応しなければ。

ということで早速、仕事終わりに美容室へ行くことに。お金を払って美容室に行くのだから、がっつり切ってもらいたい。そんながめつい思考をしているので、今回は、元の長さから25cm程短くなる顎ラインボブをリクエスト。画像を見せながら希望のヘアスタイルを伝えると、美容師さんは「なるほど」と言いながら、大事なことを教えてくれました。

「ヤナガワさんは結構……いや、かなり髪の量が多いので。その髪型にすると、確実に横に広がりますね」

ですよね。

いえ、なんとなく予想はしていました。毛量が多いことは自覚済みですし、見本画像の女性の髪は、私とは正反対の柔らかめ薄め細めだったので。

「なんとかなりそうな髪型だと、まだこっちのほうが向いていると思うんですけど、どうですか?」

そう言って見せてくれた画像は、所謂くびれショートです。確かに可愛い。可愛いけど、やっぱりボブにしたい。私の思考を読み取った美容師さんは、たくさんフォローを入れてくれました。

「わかります。可愛いですよね、このボブ。すごくわかるんですけど、ちょっと……難しいかも……いや、わかりますよ! すごく可愛い!」

できればその髪型はやめたほうがいい、その気持ちが痛いほど伝わります。そして、このまま己の意見を貫き通してボブにしてもらっても、行き着く先が吉本新喜劇に登場するすち子のようになることも、容易く想像がつきました。ちなみに、吉本新喜劇で好きなのは辻本茂雄さんです。

ヘアカタログを見ながら二人で悩み続けた結果、辿り着いたのは「くびれショートを土台にしつつ、なるべくボブに近づくようにカットする」という作戦。果たして、成功なるか。

すち子化を大回避

レザーを使ってカットをしている途中、美容師さんがスタッフルームへ行ってしまいました。急にどうしたんだろうと不思議に思っていると、戻ってきた美容師さんは、新しいレザーを持っていたのです。

「ちょっとね、レザーが負けました」

まさかの、レザー敗北。

そんなことあるんだ。刃物に勝ったんだ、私の髪。もしかすると、自分が思っている以上に、私の髪は強いのかもしれません。これまで生きてきた中で、刃物に勝った経験は一度もないので、今回新たな記録が生まれてうれしい限りです。え、でも、レザーが負けるってどういうこと?

新しいレザーに切り替え、1回目のドライカットとシャンプーが終わったら、ウェットカットで全体を整えていきます。髪が濡れている状態なので、もちろんボリュームも落ち着いたまま。ただ、短くなっていくにつれて、今まで髪の重さで何とかなっていたクセが、徐々に戻ってきていることがわかりました。

このままでは、すち子化不可避。でも、美容師さんも考えがあって切っているはずだし、「これ、大丈夫そうですか?」とも聞けません。これまでもショートヘアにしたことはありますが、久しぶりのカットに不安が募ります。もしかして、切らないほうが良かったのかも。でも、切らずに竹ぼうきを携えたままなのも嫌だしな。そう考えている間にドライヤーが終わり、ついに最後のドライカットに突入しました。

やはり、毛先を揃えたボブは私の髪では難しいようで、なるべくボブに見えるように段を入れつつ、何とか試行錯誤を重ねている美容師さん。すまない、私がわがままを言ったばかりに……。

ひたすら毛量が多い部分を梳いてもらい、完成したのは、スタイリング次第でボブにも見えるし、くびれショートにも見える、そんな髪型でした。やっぱり、プロの力ってすごい。途中経過はあんなにすち子だったのに。予定していた髪型より少し短くなってしまったものの、大満足の仕上がりです。髪の広がりを抑えてスタイリングするには、オイルを使うと良いと聞いたので、帰り道に薬局で購入し、るんるんで帰宅したヤナガワでした。

そういえば、私普段すごくアホ毛が多いんですよ。「そんなに出てこなくても! もういいって!」というくらい出てくるので、スティックタイプのワックスが必須です。何でこんなにピョインピョイン出てくるのかと思っていたのですが、どうやら髪を梳くとアホ毛が出やすいらしいですね。たとえそれが事実だとしても、私の人生に「梳く」の2文字は必要不可欠です。やめるわけにはいきません。これからもアホ毛とはズッ友として、共に人生を歩んでいくことを誓います。


〈刊行作品のご紹介〉

『神霊術少女チェルニ1 神去り子爵家と微睡の雛』(須尾見 蓮/2021)

定価 本体1,800円+税  A5変型版ハードカバー

ほとんどの国民が神霊術を使うルーラ王国の南部。
「チェルニちゃん、いてくれてよかった。きみに力を貸してほしいと思っているんだ。街の子供たちが三人、拐われたかもしれない」
この誘拐事件をきっかけに、チェルニの運命は大きく動き出す――。

▼noteでもお読みいただけます!

『フェオファーン聖譚曲オラトリオ』シリーズ(菫乃薗ゑ/2020)

※絶版中、現在新装版刊行準備中。

「私には、この大王国の黄昏の鐘が聞こえるよ」
王族、政治家、騎士たちのさまざまな思惑の中行われようとしている禁忌の「召喚魔術」。
アントーシャたちは、果たしてそれを止めることができるのか。そして強大な王国を倒すために採ろうとしている前代未聞の手法とは――。

▼リニューアル版(op.Ⅰ)はnoteでもお読みいただけます!

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