料理下手がガレットを作ってみた
こんにちは、opsol bookのヤナガワです。
先日、私は無性にガレットが食べたくなってしまい、仕方がありませんでした。
理由はただ一つ。某動画サイトで簡単レシピを発見したからです。何事もまずは挑戦ということで、早速作ってみることにしました。どうやらフライパン一つあれば、10分で作れるらしいのです。しかも、そば粉を使わない、小麦粉のガレットですって。作業工程も少ないですし、これなら料理下手な私でも作れるのではないでしょうか。
そのレシピでは、卵のほかにハムやチーズを使用していましたが、生憎我が家の冷蔵庫にはハムもチーズも見当たりません。わざわざ買いに行く時間も惜しいので、今回は卵のみで作ってみようと思います。
まずは生地から作ります。小麦粉と水をフライパン上で混ぜ合わせ、後は焼くだけという簡単な手順です。洗い物が少量で済む、素敵なレシピですね。小麦粉は大さじ2杯と書いてありましたが、大きな生地を作りたかったので、欲張って大さじ3杯で挑戦してみます。中火で温めたフライパンに、小麦粉と水を投入し、そのまま混ぜること数秒。
ここで問題発生です。
どうやら、小麦粉と水をフライパンの中で混ぜるのは、加熱前にやるべきことだったようです。熱されたフライパンの上では、いくらかき混ぜてもダマになるばかりで、レシピ動画のように水っぽい生地になる気配がありません。少しダマがあってもいいと書いてありましたが、これは少しとかそういうレベルではありません。本来ならばクレープ生地のようになるはずが、粘り気が出すぎて白玉をこねている気分になってきました。
もう少し水を足せば何とかなるのでしょうか。物は試しといいますし、一度水を足してみましょう。レシピ通りに作るのであれば、小麦粉と水は1:1にするべきですが、この際そんなことは気にしていられません。大さじ1杯の水を投入し、ダマになった生地を救うべく、必死でかき混ぜます。
その結果出来上がったのは、更にダマになった小麦粉の塊でした。どうやら、水を追加したところで状況は変わらないようです。
こうなったら仕方がありません。木べらでダマになっている部分を潰し、なるべく平らになるように広げて焼いていくことにします。
その結果、フライパンの上はこんな有り様に。
何を作っているのかわからなくなってきました。
この上に卵を落とすなど、できるわけがありません。この時点でガレットの面影すらないのですから。もう、この一枚は諦めてただの小麦粉焼きとしていただくことにします。
気を取りなおして、もう一度焼いていきます。
一枚目を焼いたことでフライパンはまだ温かく、この状況で小麦粉と水を入れてしまったら、同じ結果になることは火を見るより明らかです。洗い物が増えるのは癪ですが、背に腹は代えられません。フライパンに投入する前に、小麦粉と水を混ぜ合わせておくことにしました。
するとどうでしょう。そうそう、こういう生地ですよ。本来は、こういう風になる予定だったのです。
これはもう成功の予感しかしません。気合を入れてフライパンへ投入!
いけ……てる!? これはアリではないでしょうか。綺麗に流し込めてはいないものの、先程のように酷い有り様ではありません。希望の光が見えてきました。よし、ひっくり返してみましょう。
ちょっと失敗しました。
左端がペロンと捲れてくっついてしまいました。軌道修正を行おうにも、想像よりもぴっちりとくっついてしまったようで、無理に触ると破れてしまいそうです。しかも、今回も欲張って小麦粉の量を増やしたため、パリパリというよりはなんだかもっちりとした仕上がりになっています。
何はともあれ、今回はうまくいきそうな予感。次はこの生地の中央に卵を割り入れます。ついにガレットの面影が見える時がやってきました。
失敗しました。
中央に狙いを定めたはずが、素早い動きで左へと流れてしまった卵。これでは、四方から生地を折りたたむことができません。もはやガレットともいえないのでは?
いや、もう折りたためるのならなんでもいいです。二つ折りでもガレットはガレットです。そうですよね? ガレットとは何ぞや、と調べたところ、「正方形に折りたたみ~」とありましたが、半円状になっていても、ガレットなのです。私が作り、私が食べるのですから、そういうことにしておきます。
フライパンを傾け、どうにか黄身を中央に寄せ、生地を半分に折ります。これで私もついにガレットを……。
何か違う。
これは、私が知っているガレットではありません。油を染み込ませたキッチンペーパーみたいになってしまいました。すまないガレット、私が不甲斐ないばかりに。
なるべくおいしく食べたいので、一応塩コショウでもかけておきましょう。あ、韻を踏んだみたいになってしまいました。
人様にこれをお出ししたら、「わあ~! ガレットですね、うれしい!」と言っていただけるのでしょうか。私がこれを出されたら、恐らく静かに愛想笑いをして遠くを見つめると思います。
両方並べてみました。
こうして比べてみると、左の方がまだガレットに見えますね。なんとなく四角く見えますし。
私はおいしいものを最後に食べたいタイプなので、まずは右のガレットもどきから食べてみます。
素材の味を楽しむために、一口目は何も付けずにそのままいただきます。塩コショウを振るのを忘れていたので、まるで無を食べているかような感覚でした。さすがにプレーンの小麦粉焼きを食べ続けるのは厳しいので、ケチャップとマヨネーズを追加し、ディップスタイルに変更です。ケチャップをつけたら意外にいけました。皆さまもぜひ、ケチャップ味の小麦粉焼きを食べてみてはいかがでしょうか。おすすめはしません。
調味料のおかげで無事に右のガレットもどきを完食しました。続いて左のガレットを食べてみます。
そういえば、皆さまは目玉焼きに何をかけるタイプですか? 私はソース派からしょうゆマヨ派に寝返りました。
ということで、しょうゆとマヨネーズをかけていただきます。ガレットにしょうゆマヨが正解なのかはわかりませんが、今目の前にある料理が、ガレットではなくほぼ目玉焼きであることは、不本意ながら理解しています。
当たり前ですが、味は、紛う方なき目玉焼きでした。食べてみた感想としては、いつもの目玉焼きに加えて、もちもちした小麦粉味の何かを感じる、といったところでしょうか。もしくは、白身部分が増えた気分。
両手を上げて「おいしい!」と喜ぶことはできませんが、チャレンジ精神を持って挑んだこと、そして一度失敗してもめげない心は評価してあげたいですね。この次に作るガレットは、より素晴らしい仕上がりになることを目指して精進します。
第2回ハナショウブ小説賞の開催が決定しました!
募集期間:2023年7月3日(月)9:00~2023年9月29日(金)17:00
募集部門:以下の2部門で、フィクションの長編小説を募集します
(1)テーマ部門(テーマ:ふたり)
(2)opsol部門(テーマ:「介護」「医療」「福祉」)
両部門ともに、大賞作品は書籍化&賞金30万円!
皆さまのご応募をお待ちしております。
▼詳細は公式サイトをご確認ください。
〈刊行作品のご紹介〉
『神霊術少女チェルニ1 神去り子爵家と微睡の雛』(須尾見 蓮/2021)
▼noteでもお読みいただけます!
『フェオファーン聖譚曲オラトリオ』シリーズ(菫乃薗ゑ/2020)
※絶版中、現在新装版刊行準備中。
▼リニューアル版(op.Ⅰ)はnoteでもお読みいただけます!