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最終回が怖い

こんにちは、opsol bookのヤナガワです。

私は、昔から最終回が怖くてたまりません。

これまで、ドラマや漫画で多くの最終回を目にしてきました。

例えば、季節ごとに放送している連続ドラマ。私の場合、毎週欠かさず見ていたドラマでも、最終回だけはすぐに見ず、1年以上寝かせることがよくあります。それはなぜか。最終回を見てしまうと、物語が終わってしまうからです。「そりゃ最終回なんだから終わるでしょ」と思う方もいるかもしれません。実際にその通りなのですが、私は、その終わりを迎えたくないのです。未視聴であれば、永遠に終わらないまま私の心の中に残しておくことができます。最終回を楽しむのは、自分の中で終わりを迎える覚悟を決めてからでないといけません。

ドラマに限らず漫画も同様です。こっちのほうがドラマよりもよっぽど厄介で、最終回以外にも、スポーツ漫画で描かれる試合でさえ、終盤になるにつれて読めなくなってしまいます。決勝だけではありません。1試合目からです。

なぜなら、試合が終わる、即ち、対戦しているどちらかの選手が負けるということだから。例外はあると思いますが、勝ったのが主人公側である場合、負けた側の物語はそこで途絶えてしまうものが多いです。試合に負ければ、これから物語に登場するかどうかは私たちには不明であり、それはある意味、彼らにとっての最終回となり得ます。

試合には、必ず勝者と敗者が存在します。それは当然のことでしょう。私は、敗者となった彼らが、涙を流す姿を見るのが辛いのです。引退を控えた選手であれば、それが最後の試合になり、更にチーム戦だったとしたら、もう、同じメンバーで公式試合に出場することはできません。私たちには知り得ない、描かれていない場所で彼らは努力をしているはずです。たとえ、その場限りの登場人物だったとしても。その背景を思うと、次のページで負けが決まってしまうかもしれないのにページを捲るだなんて、私にはできません(このあたりで、「私も試合に向けて切磋琢磨してきた仲間だったのかもしれない」と錯覚し始めます)。

漫画だけでなく、ドラマや小説にも当てはまることですが、読んで(見て)いるとその作品の世界に自分も存在している感覚になることがあります。スポーツ漫画を読むことで、私も一緒に体を動かしているような気持ちになれるのです。まあ、感情移入が過ぎる時もありますが……。ちなみに、これまでに入部したつもりになった部活は、野球部、バレー部、バスケ部、自転車競技部の4つで、学生時代に本当に所属していたのは卓球部です。

これまで、できる限り最終回を後回しにして生きてきましたが、最近少しずつ、公開されたてホヤホヤのタイミングで手を付けられるようになりました。ドラマも漫画もです。SNSが普及した今、視聴者(読者)のコメントを見たり、一緒に盛り上がったりすることの楽しさを覚え、最終回に対する恐怖心が少しずつ和らいできたのでしょう。

何より、寝かせている間にネタバレを見てしまったら意味がないですからね。公開から2日程度はSNSには注意が必要です。勝手に最終回を寝かせているのはこちらなので、文句を言える立場ではありません。大人しく、すぐに見るが吉です。ただし、連載漫画については、連載中の本誌を読むか、単行本が発売されてから読むか、なかなか悩むところです。皆さまはどちら派ですか?

一先ず、次なる目標は、スポーツ漫画をスムーズに読み進めること。勝敗に心を揺さぶられ過ぎることがないよう、心身ともに鍛えていこうと思います。ヤー!


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〈刊行作品のご紹介〉

『神霊術少女チェルニ1 神去り子爵家と微睡の雛』(須尾見 蓮/2021)

定価 本体1,800円+税  A5変型版ハードカバー

ほとんどの国民が神霊術を使うルーラ王国の南部。
「チェルニちゃん、いてくれてよかった。きみに力を貸してほしいと思っているんだ。街の子供たちが三人、拐われたかもしれない」
この誘拐事件をきっかけに、チェルニの運命は大きく動き出す――。

▼noteでもお読みいただけます!


『フェオファーン聖譚曲オラトリオ』シリーズ(菫乃薗ゑ/2020)

※絶版中、現在新装版刊行準備中。

「私には、この大王国の黄昏の鐘が聞こえるよ」
王族、政治家、騎士たちのさまざまな思惑の中行われようとしている禁忌の「召喚魔術」。
アントーシャたちは、果たしてそれを止めることができるのか。そして強大な王国を倒すために採ろうとしている前代未聞の手法とは――。

▼リニューアル版(op.Ⅰ)はnoteでもお読みいただけます!