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編集部日記(サムネイルの謎 後編)

こんにちは、opsol bookのヤナガワです。

先週に引き続き、今回も「小説コンテストを開催することにした駆け出し出版社の話」のサムネイルの謎を解き明かしていきたいと思います。

▼前編はこちら

(5)クッキー

選んだ理由:クッキーは細かく潰してタルト生地にもできるし、おいしい。

前編からうすうす感じていましたが、理由に無理がありすぎますね。このあたりから私の思考は完全に停止していました。そもそも、クッキーは完成品であり、食材をテーマにするのであれば、クッキーよりも小麦粉の方がよかったのでしょうか。でも、山盛りの白い粉をサムネイルにして、盛り塩だと思われても困りますし……。

このシリーズの更新を続けていく中で、あまりにもサムネイルに困っていた私は、編集部メンバーにいい食材があれば意見が欲しいと話をしました。画像選択の意図を理解したヤマザトさんが「小麦粉とか?」と言っていたので、やはりクッキーではなく小麦粉にするべきだったのかもしれません。

(6)目玉焼き

選んだ理由:食パンにのせても、ハンバーグにのせてもおいしい。

この頃になると、完全に方向性を見失っていました。自分でもどうするべきなのかわからなくなっていたのです。

元々「装丁担当が決まったよ編」のサムネイルは、スキレットのみの予定でした。もはや食材でもなんでもありませんが、調理器具も料理に使うものですし、広い目で見ればありかなという判断です。ここから料理が生まれると考えれば、最初に定めた意図ともギリギリあっている、はず。

そう考えていたのですが、スキレットだけだとなんだか物足りない気がしたので、目玉焼きを描いてみました。Wordで。

本来は食材をサムネイルにする予定だったのに、ついに調理器具になったのかと思えば、勝手に卵を焼き出す始末。完全に迷走していますが、この回は書籍化時の装丁担当が決まったというお知らせであり、生まれたての小説賞が一歩先に進んだご報告ということで、卵を焼いたってバチは当たりませんよね。

あっ、今一つ思いつきました。目玉焼きは、黄身の硬さや何をかけて食べるかなど、好みは十人十色。小説賞も応募する人の数だけ作品の色があるという、そういうイメージで目玉焼きを選びました! いいですね、これでいこうと思います!

(7)キャベツ

選んだ理由:彩を加えられるし、生で食べても、焼いて食べてもおいしい。

ここにきてキャベツです。上記に記載した理由以外、まともに述べることすらできません。

小説賞とは全く関係ないのですが、私は加熱したキャベツが好きです。生で食べるよりも甘みが増した感じがするので。

その中でもトップレベルで好きなのは、焼きうどんに入っているキャベツです。焼うどんを食べるときは、いつもうどんとお肉を先に平らげ、最後に残ったキャベツを食べます。もはやキャベツとのランデブーを楽しみに焼うどんを食べていると言っても過言ではありません。たまに社内でも昼食に焼うどんを食べているので、私からポリポリと咀嚼音が聞こえたら、キャベツの甘みを堪能しているんだな、と思ってください。

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後半はコンセプトがブレブレでしたが、解説は以上になります。我ながら酷い言い訳のオンパレードでしたね。いや、言い訳にすらなっていないかもしれません。

ここからは、サムネ候補に挙がったものの没になった食材の一部を紹介します。

・寿司下駄

さっそく食材から離れました。分類的にはスキレットと同じです。

寿司下駄はお寿司を盛り付けるための大切な存在。「小説賞の土台となる~」という風に、ちょっといい感じの意味をつけられそうと思い選出しましたが、どうしてもしっくりこなかったため、惜しくも落選となりました。ありだと思ったのですが。

・たい焼き

これはクッキーと同じ匂いがしますね。何をサムネにすればいいのかわからなくなった私は、とうとう自分の好きな食べ物を候補に挙げ始めました。

さすがにこれに関しては、ほかの料理に加工のしようがないというか、たい焼き以外の何者でもないため落選。一応アレンジレシピを調べてみましたが、ほかの料理にアレンジするというより、アレンジしたオリジナルたい焼きのレシピがほとんどでした。そりゃそうだ。

・唐揚げ

候補に挙げた理由はただ一つ。シンプルにお腹が空いていたからです。もちろん即没になりました。

更新を続けていくうちに、「どんな食材でも調理の仕方は何通りもあるわけで、じゃあつまり、何をサムネイルに選んでも変わらないのでは、そもそも、何で食べ物のサムネイルなのか」と思考が一周二周と回り出したので、考えることをやめました。その結果生まれた案が、欲望のままに選んだ唐揚げだったのだと思います。

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没案に関しては、上記以外にも、白米や袋麺、マッシュルームなどがありましたが、こちらも残念ながらサムネイル昇格ならず。自分でテーマを決めておきながら、このありさまとは情けないばかりです。

「小説コンテストを開催することにした駆け出し出版社の話」シリーズは、ひとまず区切りがついたため更新が止まっているものの、ハナショウブ小説賞を開催していく中で、回を重ねるにつれて生じる課題に立ち向かうべく再開されるかもしれません。

そのときは、解放されたはずのサムネイル選びに苦労するの私の姿を思い浮かべつつ、どうしてその食材になったのかを想像していただけるとうれしいです。もしかしたら、唐揚げが採用される日も近いのかもしれません。

それでは、またいつか、きっと更新されるであろう「サムネイルの謎編・改」でお会いしましょう。


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