脂肪との別れ(後編)
こんにちは、opsol bookのヤナガワです。
本日は、前回のnoteの後編をお送りします。
果たしてヤナガワは、第2回ダイエット集中月間中の任務を遂行することができるのか。抱えた脂肪たちの運命は如何に――。
▼前回の更新はこちら
形から入る大人
一度目のダイエット集中月間が大失敗に終わり、その後しばらくはいつも通りの生活を送っていました。生活習慣の改善はされていないものの、仕事である程度の運動量はあるため、現状維持という意味では今のままでも問題はないのです。
しかし、あれから2年後、私は二度目の長期休暇を得ることになりました。2022年2月のことです。1か月間の休みとなると、超インドア派の私には、普段通りの運動量の維持は難しくなります。
このままだと、1日の運動量がほぼ0の可能性もあるため、今回は毎日ウォーキングをすることにしました。ただ、普段パンプスやブーツを履くことが多かった私は、この時点でスニーカーを一足も持っていません。
勿論、手持ちの靴でも歩けなくはないですが、ウォーキングをするのなら、歩きやすい靴を履きたいです。高価なウォーキングシューズを買っても、前回のヨガマットのように放置され宝の持ち腐れになる可能性がありますし、高かったから汚したくない、と履かなくなることも考えられます。そのため、とりあえず普段使いも出来るような普通のスニーカーを購入することにしました。
私が選んだのは、白がベースでワンポイントとして紫が入っているスニーカー。シンプルで可愛くて、これを履いたらテンション上がっちゃうな~、散歩しまくっちゃうな~と浮かれながらレジに持っていったことを覚えています。
しかし、普段白い靴など履かない私は、ウォーキング当日にあることに気が付くのです。
白、めっちゃ汚れ目立つやん?
コンクリートで塗装された道だけでなく、山道も歩くつもりだった私。このままでは、泥を纏って茶色のスニーカーなってしまいます。そのため、以下の規定を設けました。
「ウォーキングを習慣化させる」をいう目標を掲げ、闘いの日々は始まります。
1日目
初日。気合が入りまくった私は、同じコースを2往復した後、8,000歩に到達するまで市内を歩き回りました。疲労を感じるというより、歩いている間が暇すぎて辛かった記憶があります。「1日の最適歩数は8,000歩」とよく聞きますので、なかなか良いスタートを切れたのではないでしょうか。
2日目
1日目とウォーキング時間はそれほど変わりませんが、全体的に記録が落ちています。2日目にしてすでにこのチャレンジに飽き始めたのでしょうか。この日も変わらず快晴で、神様はサボる隙を与えてはくれません。
3日目
歩いている時間は一番長いものの、ペースが落ち、記録は右肩下がりです。500kcal以上あるお菓子は、30分もあれば平らげてしまえるのに、3km歩いただけでは、たったの132kcalしか消費できない事実に震えています。
4日目
ついに、1時間を切りました。初日のやる気は何処へやら。それでも、続いているだけ偉いです。本来の目的はウォーキングの習慣化なので、この時点ではまだ己を褒めても良いのではないのでしょうか。
5日目
ついにサボりました。
言い訳をさせていただきますと、この頃、新たな問題が発生したのです。自宅前道路の塗装工事による通行止め、工事期間はなんと1か月。
勿論、徒歩で通る分には問題はなく、これまで通りウォーキングを続けることは可能です。ただ、「誰にも会わずに外歩くだけだし……」と適当な格好でウォーキングを続けていた私にとって、ウォーキングコースに人がいるということは死活問題です。自宅前から工事が始まっているので、回避ルートなどあるわけがなく、否が応でも顔を合わせなければなりません。
「毎日私が現場の横を通ると邪魔になるだろうし、気を使わせてしまうかもしれない」というもっともらしい言い訳を盾に、わずか5日目にして目標達成への道を自ら閉ざすこととなりました。
第2回 ダイエット集中月間も失敗に終わり、この時購入した靴は、通勤用のスニーカーとなりました。雨天中止とはいえ、ウォーキングが習慣化した暁には、薄汚れて使い込まれたスニーカーが誕生するはずだったのに、この靴は現在も白く光り輝いています。
歴代記録を振り返って
この記事を書くにあたって、1年間の歩数を振り返ってみました。日常生活の中で、可能な限りは徒歩移動を心がけていますし、休日もなるべく買い物がてら外に出るようにしています。
買い物といえば。実は私、レジに並ぶのが苦手なんです。特に苦手なのは、ほかに誰も並んでいない時。この場合は、店内を一周したうえで、あたかも特定の商品を探しているかのように振る舞って様子を伺い、誰かが並ぶのを待ちます。お店側の目線で考えると、レジが混んでいないタイミングで並ぶべきだと思うのですが、何故か緊張してしまうのです。ただ、書店や薬局、スーパーなどはまだマシです。最近はセルフレジの導入が増え、スムーズに会計を終えることも増えてきました。
数多あるお店の中で、最も緊張するのが百貨店です。こちらをご覧ください。
この日は、某百貨店のお土産コーナーを見て回っていました。購入品の目安はついており、あとは商品を手に取って並ぶだけです。普通に買い物をすれば、20分程で終わるのではないでしょうか。
しかし、グラフを見ていただくと分かるように、14時から2時間だけ歩数が大幅に増えています。この時間、私は百貨店内のお土産コーナーから離れていません。つまり、レジに並ぶ決心をするためだけに約8,000歩、ウォーキング開始1日目と同様に約5.5km分歩き回っているのです。一周するのに5分もかからないお土産コーナーの中を。自分で思い出して引きました。
もしかして、毎日百貨店で買い物をすれば、レジに並ぶまでに2時間のウォーキングが必要となり、良いダイエットになるのでは?
さすがに極論ですが、インドア派の私にとって買い物で1日の歩数を増やすというのは得策かもしれません。
ちなみに、1日も外に出なかった日の歩数はこちら。
家の中ではスマホを持ち歩かないので、その影響もあるとは思いますが、それにしても酷い数字です。ダイエッターを名乗る資格はありません。リビングと寝室までの往復のみが換算されています。消費カロリーは1.28kcal。呼吸運動に必要とするエネルギー(1日約150kcal)を遥かに下回っていますね。
逆に、やる気に満ち溢れていた日の歩数はこちら。
極端すぎる。
車ではなく徒歩で買い物に出かけたところ、腰を痛めました。帰宅後は座っても痛いし寝転んでも痛い、そして起き上がるのも痛いという負のループ。
物事を継続するには、いきなり大きなことにチャレンジするよりも、小さなことからコツコツ始めることが重要であると、身をもって体感しました。そして、いくら良い運動になるとしても、レジは素早く並ぶべきだということも。
こうして、お別れするはずだった脂肪と、引き続き生活を共にすることになってしまいましたが、これまでの人生で片時も離れることなく寄り添ってきた大切な存在(脂肪)を、今後も愛していきたいと思います。
〈刊行作品のご紹介〉
『神霊術少女チェルニ1 神去り子爵家と微睡の雛』(須尾見 蓮/2021)
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『フェオファーン聖譚曲』シリーズ(菫乃薗ゑ/2020)
※絶版中、現在新装版刊行準備中。
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