フェオファーン聖譚曲op.Ⅰ 2-8
02 カルカンド 状況は加速する8 恥辱の朝
側妃の|不貞を手助けした使用人達が、王国騎士団の騎士に連行される直前、只ならぬ出来事に揺れていたのは、王城を守る近衛騎士団である。純白の生地に黄金の獅子を描いた団旗が翻る近衛騎士団の本部は、異常な緊張と動揺に包まれていた。
夜通し王城の警護に当たっていた近衛騎士によれば、早朝、王国騎士団が突如として第四側妃の住むローザ宮に踏み込み、多くの女官や従僕を捕縛したという。王城内、それも王族に関わる事態であれば、王家直属の組織である