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opsol book初の小説コンテスト開催が決定しました。 コンテスト名やロゴが決まるまでの道のり、opsol bookの会議の様子などをリアルタイムでお届けします。
編集部ヤナガワが書くあれこれをまとめています。
『小説家になろう』で大好評連載中! 須尾見蓮先生による『神霊術少女チェルニ〈連載版〉』の小ネタ集です。 ※本連載投稿は、『小説家になろう』に連載されているものと同内容です。 ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・ チェルニ本編の物語とご一緒にお楽しみください。
万物に宿るとされる神霊の力を借り、人知を超える現象を引き起こす〈神霊術〉。千年の安寧を誇るルーラ王国は、国民のほとんどが、何らかの神霊術を使うことから、〈神霊王国〉と呼ばれている。 そんなルーラ王国で、史上最年少で王国騎士団長となった、レフ・ティルグ・ネイラ。彼こそは、千余年の時を経て現れ出でし《神威の覡》に他ならなかったーー。 ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・ 〈神霊王国物語〉シリーズ『神霊術少女チェルニ〈連載版〉』の外伝作品です。
『小説家になろう』で大好評連載中! 須尾見蓮先生による『神霊術少女チェルニ〈連載版〉』の外伝シリーズです。 ※本連載投稿は、『小説家になろう』に連載されているものと同内容です。 ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・ 『神霊術少女チェルニ 〈連載版〉』内で文通をしているふたり。 ふたりの間で交わされる手紙を、少しご紹介します。
02 カルカンド 状況は加速する11 永遠の別れか 王城の朝が始まり、|夥しい数の人々が職務に付き始めた頃には、ローザ宮の異変の噂は、熾火の如く王城内に広がっていた。周囲への立ち入りを禁じられ、為す術もなく立ち竦む近衛騎士の一団と、仕事の合間を縫って噂を拾い集めに訪れた宮廷雀、主人たる貴族に命じられて様子を伺う陪臣達。そして、一分の隙もなくローザ宮を包囲したままの王国騎士団の存在が、薔薇の宮殿に起こったであろう異常事態を物語っていた。 騒然とした空気の中、最初に姿
02 カルカンド 状況は加速する10 絶望 タラスとスラーヴァ伯爵が、寝室に続くカテリーナの居間に足を踏み入れたとき、正式な側妃に許された色合いの|黄白が、朝日を受けて柔らかに光る室内には、屈辱に燃える二人の王子と、身を寄せ合って震えている三人の王女が、一塊になって監視されていた。一人では着替えの置いてある場所さえ分からない彼らは、寝衣の上に薄い上着を羽織っただけの頼りない姿を晒していた。 平然と入室してきたタラスを目にした瞬間、第四側妃の子の中で最も年長の王子で
02 カルカンド 状況は加速する9 王国騎士団 ロジオン王国の慣わしとして、議会によって選出された正式な妃には、それぞれに花の名を冠した宮殿が与えられる。正妃エリザベタが住まうのは、百合を意味する〈リーリヤ宮〉であり、花の女王の呼び名に|相応しく、洗練の極地ともいうべき典雅な宮殿が聳え立つ。第四側妃カテリーナを主人とする〈ローザ宮〉は、咲き誇る薔薇にも似て豪奢であり、ロジオン王国の底知れない富を感じさせた。 ローザ宮には、カテリーナと五人の子供達が暮らしていた。二
02 カルカンド 状況は加速する8 恥辱の朝 側妃の|不貞を手助けした使用人達が、王国騎士団の騎士に連行される直前、只ならぬ出来事に揺れていたのは、王城を守る近衛騎士団である。純白の生地に黄金の獅子を描いた団旗が翻る近衛騎士団の本部は、異常な緊張と動揺に包まれていた。 夜通し王城の警護に当たっていた近衛騎士によれば、早朝、王国騎士団が突如として第四側妃の住むローザ宮に踏み込み、多くの女官や従僕を捕縛したという。王城内、それも王族に関わる事態であれば、王家直属の組織である
02 カルカンド 状況は加速する7 罪の果て タラスがスヴォーロフ侯爵を訪ねてから二日後の朝は、抜けるような晴天だった。その美しい青空の下を、麻縄で後ろ手に縛られた幾人もの男女が、裸足のまま引き摺られていた。着ている物は上等な女官服や女中服、或いは王城の|従僕が着る御仕着せである。ロジオン王国の誇る豪華絢爛たる王城で、只ならぬ何かが起こっているのだと、王城の者達は誰もが一目で察していた。 罪人らしき男女を引き連れているのは、濃紺の革鎧を身に付けた三十人程の小隊である
02 カルカンド 状況は加速する6 相克 ロジオン王国の王都ヴァジムは、王城が|聳え立つ丘陵を囲むように広がる、美しくも洗練された都である。王城に最も近い外周には、五家の公爵家を始めとする高位貴族の大邸宅が豪奢を競い、更にその外周には、地方領主達の王都屋敷が立ち並ぶ。ロジオン王国に存在する八百余の貴族家の内、半数程の貴族達は、この貴族街に屋敷を構えているのである。 貴族街の外周の一角、高位貴族と地方領主の端境とも言える区画に、一際目立つ屋敷が有った。侯爵家の屋敷にも匹敵